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ゆきまこ

某氏の小説を読んでたら書きたくなったので、久々に書いてみました。



しとしとしと

夏空にしては外は珍しくの雨・・・
「雨やまないね・・・」
「そうだね・・・・」
特に何をするわけでもなく事務所で二人並んで窓際に設置されているソファーに座り
雨に濡れる町並みをぼーっとみている。

事務所にはみんな出払っていて、今は私と真ちゃんの二人だけ。

「今日これからどうしよっか・・・」
「そうだね、何しようか・・・」

雨は一向にやむ事も無く、外の町並みを濡らしていく。
『そんなにないて気味は何を悲しんでいるの?、どうしたら君は明るい顔をしてくれるの? 』

「雪歩の詩始めて聞いたけど素敵だね。」
「へ?あ、あ・・・」
その言葉を聴いた瞬間、思わず口に出していた事に気が付き、自分の顔が熱く
なっていくまでに、それ程時間は掛からなかった。

「ま、ま、真ちゃんもしかして聞いてた・・・の?」
だめだめだめと言いつつ真の胸を無我夢中で叩いてた。

事務所にあるソファーと言ってもそこまで豪華なわけはなく、人間二人が
はしゃいだりすれば当然・・・・

ガタン

「・・・・・・あ」
「・・・・・・え」

その距離5cmと言ったところだろうか。体制的にはちょうど真が雪歩に多いかぶさるような形で
倒れ込み、気が付けば相手の顔が目の前に来ていた。

湿気の為蒸し暑くよく見ればうっすら汗ばんでるが、白く透き通るような白い肌。
抱きしめてしまえば折れてしまいそうな華奢な身体。よく見ればそワンピースご
しでもの細い身体のラインがくっきりと判った。

「ま、真ちゃん・・・・」



「ゆ、雪歩・・・・」

凛々しくも美しいその顔立ち、細いながらも鍛えられているその身体、王子様と
言っても過言ではないその振る舞い。


この人なら・・・


そしてゆっくりと真の首の後ろに手を回し、身体を近づけていく。
おそらく彼女なら私のゆがんだ感情も今なら受け入れてくれる。そしてゆっくり
と近づいていく顔を見ながらまぶたを閉じる。

『RuRuRuRuRuRu RuRuRuRuRuRu』

がたんと言う音とともに「うわぁ」と言って我に返り、後もう少しでたどり着く
はずだった、その潤った唇はわずか数秒のうちに離れていった。

「あと少しで・・・」と考えているのは自分だけだろうか、電話で話をしている
彼女を見ながら身体だけ起こし床に座ったまま彼女を見る。先ほどまでのことな
んて無かったかのように電話に向かって話している、先ほどまでのは夢だったの
だろうか・・・自分の唇に指を這わせてもしさっき触れていたら、と言う感触を味わう。

「プロデューサーたち今打ち合わせ終わったから、あと一時間位したら戻ってくるって」

そういって未だ床に腰を落としている自分に向かって手を差し伸べてくる彼女を
見て、本当にこの人は王子様なんじゃないかと錯覚するほど凛々しく見えた。
私はその手を取ることなく自分の両手を彼女に向け、抱き起こして欲しいという
ことを無言で伝えた。さっきの事を引きずってるのは自分だけじゃないと言う事
を確かめるために彼女に対してのちょっとした意地悪だ。

彼女は嫌がることはせず私のわがままを快く私の願いをきき入れてくれた。
倒れこんだ時ほどではないものの彼女の顔が接近して来る。抱きかかえられる前
にこちらから身体を持ち上げ、彼女の唇を塞いだ。

あと一時間・・・もう少し独り占めさせて・・・・


外の雨は一向にやむ気配がなく、事務所の中はただ雨が降る音だけが支配している
夏の昼時、明日になればきっと彼女はまた仕事に夢中になってしまうだろう。
だからせめて今この瞬間だけでも、真っ白いカンバスに絵の具を塗りつけるように
私は彼女を・・・・


<了>
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